私は激しい技の受け合いに終始するプロレスは好きではありません。
特に無防備の相手の頭部に乱発するハードヒット技については疑問を呈して来ました。
プロレスは闘いであるということが私の基本的な考えですが、本当に痛い技の受け合いをしなければ「闘い」を表現出来なくなって来た事が、プロレス衰退の一つの原因でもあるとも思っています。
WCWで行なわれたベイダー対リック・フレアーの試合は、当時のアメリカンプロレスの範疇を越えた激しい試合でした。
リック・フレアーの自伝では、4ページ以上に渡り、この試合について記されています。
またベイダーのマネージャーだったハーリー・レイスの自伝にもこの試合が記述されています。
ベイダーが日本的な激しいプロレスにフレアーを引きずり込もうとしたのか、単純にベイダーのリアルな怒りがあったのか定かではありませんが、結果、追いつめられたフレアーは過去、見せた事の無い「魂のこもった」ナックルパートを連発し、逆襲する事に成ります。
その「魂のこもった」ナックルパートとて、当然、無防備な相手に放つプロレスの範疇の技に他成りません。
しかし明らかに、その魂の隠り方は純アメリカンプロレスの重鎮としては、尋常ではありませんでした。
相手の受けに頼り、頭部が揺れる技を放ち合う約束事の激しいプロレスには私は「闘い」を感じる事は出来ません。
しかし、この試合は追いつめられたフレアーが、激しい技の攻防の為にではなく、自らを守る為に「ナックルパート」に魂を込めた、「闘いのプロレス」であったと私は思います。
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