2007年10月05日

田村潔司HERO'S参戦/極私的雑文「絶対に勝て」

田村潔司の「HERO'S」参戦が決定した。
しかも相手は金泰泳である。
谷川プロデューサーが又も白熱するライトヘビー戦線にかこつけて秋山の参戦をほのめかすのはいただけないが、唯一つ、谷川プロデューサーに共感すべきは昭和のプロレス心を知っている事である。
もっともモンスター対決や、ビッグネーム対決といった意味でなく、
決闘ムードを醸し出す昭和の緊張感溢れるプロレス頭を潜在的にでも分かっているであろうという点で有る。
柴田勝頼の参戦と共に今回のHERO'Sへのかつての昭和プロレスファンの注目は大きいのではなかろうか。

金泰泳の実家の焼き肉屋は私が生まれ育った街と車で数分の距離であり、
私はかつてK1の中量級で鳴らした金を同郷、そして同胞として親近感を持って見つめていた。
K1への興味も知識も無かった私であったが、金がK1黎明期活躍する格闘技雑誌を読み刺激と感動を頂いた事をよく覚えている。
私が昨年まで4年近く働いていた会社は天満に有った。
環状線の駅からほど近い正道会館総本部の付近では、グッドリッジ、トム・エリクソン、武蔵と多くの有名選手を見かけたが、同胞の「キム・テヨン」を見かけた時は私はやはり同じ血を持つヒーローへの憧憬を感じてしまった。

その金が復帰し、総合格闘技に参戦した。
秋山との対戦こそ不透明な決着であったが、石沢との闘いで、涼しい顔をして完勝した金を観たとき、私はこれまでとは違う感情を抱いた。

所詮、民族の血等「受け身的なアイデンティティ」でしかない。
私は受け身的な属性でなく、思春期に能動的に汗を流し築き上げた自分の「アマレスラー」としての属性を強く感じ、レスリング出身の英雄・石沢の敗戦を悔しく思った。

今回、田村が金と闘う。こちらでも又、民族の血よりも「ブロレスファン」としての属性が上回ってしまう。

やれ韓国人、朝鮮人はどうのと日本人は同胞意識が強いように騒ぎ立てるが、
我々が「自分が何者であるか」幼き頃から考えざるを得なかった人間たちの属性とは
単純なものではないのだ。

前田日明はかつてケンドーナガサキ、高田が総合格闘技初戦で敗れたとき、四面楚歌の彼らを庇った経験が有る。
誰も口にしない小林邦明への情を佐山との対談で述べた事も有る。

私は、それらの前田の心情と今回の秋山への擁護の基本的な部分は変わっていないと思っている。
僭越ながら、困っていたり、四面楚歌だったりの人間を守りたくなる韓国人の血の性質そのものだと思うからだ。
しかし、今回の秋山の件に関しては、それにプラス、やはり同胞意識が強く重なっていると思っているからこそ私は残念だと思っている。

私は同胞として前田の心情か理解出来る反面、今の所、前田に対して
民族の属性よりも、何故、自らが闘い創り上げて来たプロレスラーとしての属性、UWFとしての属性が勝らなかったのかが悔しい。
それは多くのファンが感じた事ではないだろうか。

前田の話は余談であったが、私は何としても田村に勝ってもらいたい。
金は秋山と違い私にとって誇るべき同胞である。
それでも私はプロレスラーに憧れレスリングに熱中した事を自分のアイデンティティ、
属性としている以上、田村を応援せざるを得ない。
極私的な願望であるが、田村潔司よ、絶対に勝って欲しい。

2007/07/10掲載

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posted by shingol at 11:32| スポーツナビ版アーカイブズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする