多分、安田忠夫の自殺未遂を等身大の哀れみで見つめたのはアントニオ猪木では
ないかと思った。
自分を反面教師にして安全地帯での闘いを繰り広げる弟子たちの中で、安田だけ
はアントニオ猪木を反面教師にするどころか、師匠以上の体たらくぶりで猪木の
情を支配するのである。
多分大阪スポーツで発表した馬鹿馬鹿しいポエムは本音の気持ちだろう。
涙で滲んだか、掠れたのかは、忘れたがアントニオ猪木が自分より唯一、馬鹿な弟子
に向けたポエムは世界中で誰よりも馬鹿馬鹿しく優しさの溢れるポエムである。
私は恥ずかしながらアントニオ猪木のポエムで初めて安田の自殺未遂がアングル
であれ事実であれ関係ないと思えた。
アントニオ猪木は実は自分の反面鏡を見るように安田を見続けた男である。
その証拠に天下のアントニオ猪木の口からレネ・ローゼの名前が出たのである。
安田のリーチの長さを生かした攻撃が通用しなかったローゼとの試合に勝つ事は
プロレスであれ総合であれ、安田のリアルもフェイクも含めた戦歴の忘れられた
課題である。
安田よ、忘れ物を取りに行け。
ここまで来ればリアルであれ、フェイクであれ、安田はレネ・ローゼを破る事で
人生の再出発を歩めるのだ。
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安田忠夫の完全なる胴タックル/遮二無二電車道

