どのような相手であれ、相手の協力に頼らず自分の動きを遂行できる力を持っていたタイガーマスクであったが、その本領はブラック・タイガー、小林邦明、ダイナマイトキッドといった手の合うライバルたちとの闘いにおいて
発揮されたといえるだろう。
私が少し覚えていることはメキシコ勢との試合では何故かグタグダの攻防が多く噛みあわない印象を受けたことである。
しかし、実は、私にとってタイガーマスクのベストバウトは、そのメキシコのビジャノ3号との試合であった。
確か金曜日ではなかった別枠の特番でタイガーマスクとビジャノ3号の試合は行われていたような気がする。
起承転結のはっきりとしたじっくりとした攻防、終盤に数分の見所が凝縮されたクラシックな試合運びの試合が私には印象深かった。
対してダイナマイトキッド、ブラックタイガー、小林たちとの闘いでは、もはや全篇クライマックスシーンとなった商業プロレス、売れ線プロレスの印象を拭えなかった。
実はビジャノのようにじっくりと味わい深い攻防を展開した上でタイガーマスクの魅力を引き出すことは他の多くのメキシコ勢も出来たのであろうが、当時の生中継、つかみの必要性、売れ線的動きが足かせとなって、多くがグタグダのタイガーの試合らしからぬ展開となっていたような気がしてしまう。
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