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2007年12月18日

船木に勝算はあるか?

私の知る船木誠勝とは幻想を守り続ける男であった。
U系のレスラーで、頑に、この幻想を守ろうとしてきたのは実は前田、船木、田村この三人しかいないのである。
何を持って守っているかは一目瞭然である。
柔術に対して、自分たちの技術が通じるという幻想をである。
言うだけ番長と化した前田とはいえ、一度も、自分たちの技術が劣っている事は認めた事はない。
認めていない時点で守り続けているのである。
そんな前田にとって実は、この桜庭対船木の試合は自分たちのU系の技術をプレゼンテーションできる期待と喜びを持つ試合である事は一目瞭然である。
ほとんど雑誌には記されていない事であるが、第一次UWFのユニバーサル・レスリングとは、古いアマチュア用語で多種多様な技術展開という意味であった。
UWFのルーツであるキャッチ・レスリングは=アメリカに渡りカレッジレスリングに、そして、カレッジレスリングから国際式のフリースタイルに変化してきた事は再三、このブログで記してきた。
間接技を除いたキャッチレスリングの動きが見たければアメリカのNCAAを観れば良い。
同時に、その変化(進化とは記さない)の過程で、最後の関節技の部分が省かれてしまったのだ。
その失われてしまった関節技の部分がイギリスに残っていた。
もっとも、関節技に至るまでの動きはイギリスにおいては限りなく低レベルのものだと知ってもらいたい。
キャッチがアメリカに渡った時点で、イギリスのレスリング技術はかなりレベルが下がってしまった。
その分離してしまった二つのキャッチ・レスリングをつなげた存在がゴッチさんであった。
つまり、スタンドの動き、関節技の決めの部分を再び一つの高い技術として取り戻したのである。

U系の技術は今の格闘技に通じないという人は多い。
正確にはUWFの選手たちの技術が通じないだけであって、本当のスタンドと関節技の融合としてのキャッチレスリングの技術を持つ選手などこれまでU系の選手では桜庭和志しか存在していなかったのである。

船木はどうであったか。
桜庭とは逆に、フィニッシュである関節技から入った船木は、そのフィニッシュである決めの強さ(特に足関節)を生かすために、時に独創的な体制から足関節を取りにいく事が多かった。
しかし、その独創的な入り方が、実はかつてのキャッチの選手たちの中にも同じような入り方をしていた選手がいたのではと無いかと私は思う事があった。
パンクラス初期、相手をグランドでがぶった船木は、自らが、がぶっている相手の頭を飛び越え、足関節に入るべく、相手の足めがけて飛び込んだ事があった。
私はキャッチの関節技という的に向かっての軌道を船木が探し求める中で、自ずと、関節技を決めるための、最適の軌道を自らの練習の中で気づく事が多かったのではないかと私は思う。
逆に桜庭は関節技に入るための軌道すなわちスタンドレスリングをベースの大部分としている選手でもある。

軌道(スタンドレスリング)から入った桜庭か、的(関節技)から入った船木かの違いこそあれ、共にキャッチレスリングの本質を、満点下にしらしめる大きなプレゼンテーション試合の可能性もあったのだが、主体性を無くした船木は、グラバカで練習を積んでいる。
本来の自分の技術を飼い殺しにするつもりであろうか?


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posted by shingol at 22:33| 新・レッスルする世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする