2008年03月08日

スポーツ選手、格闘家の追い込まれたメンタルについて

OMASUKIFIGHT様に大変、興味深い記事がありました。
多くの人が見逃してしまいがちな格闘家のメンタル面について記された貴重な記事であると思います。

私は仕事上、様々なうつ症状を持った人と接する事が多く、うつの症状を抱えた人たちの精神状態については浅くながらも理解しているつもりです。

また、私自身、うつになった事はありませんが、アマチュアレベルで格闘技を経験していった中で思うのは、格闘技ひいてはスポーツに集中して取り組みすぎると、大変うつの症状を発生しやすい要因になる事もあると考えています。

過剰にスポーツの世界で勝敗にこだわりすぎると、極度のアドレナリンやノルアドレナリン系のホルモンに包まれた生活を強いられてしまいます。

結果という目に見えない物に対しての不安や、対戦相手への恐怖、心身ともに緊張を強いられた生活が極度なレベルで長く続くと、どのようなスポーツ選手もある程度は心のバランスを崩すものだと思います。
ただ、その中でも、少なくとも試合という目標がある中では、文字通り、気力を振り絞っての日々を遂行しますが、試合を終えた後のバーンアウト状態の隙間にも、出やすい精神的な異変というのはあるかと思います。

私も試合前、安定剤に頼りたいと思うような強い不安に襲われた時もありました。
また、バーンアウト後は、何をするにも気力が無くなり、また気力が無い自分に対して、自己嫌悪に包まれ、極度な劣等感に包まれてしまいました。

ただし私的な意見ですか、スポーツ選手は基本的に、心の不調の際に、薬物に頼るべきではないと強く考えています。
スポーツ選手は、過度のストレスの中で、精神的に不安定に陥りやすい環境の中で過ごしやすいのですが、逆に、そういった環境の中でのセルフコントロール法を身につける良い機会も得ているからです。


調子の悪い時は、思い切って練習の量を大いに下げる事が必要だと思います。
ストレスレベルの低い軽度の運動や、呼吸の調整は、セロトニンやエンドルフィンを自ら分泌させます。

また日常での思考と感情の区別、呼吸法、筋弛緩法等によって、競技レベルでスポーツをする上での過度のストレスから心は防げます。

日本の精神科、神経科、心療内科の治療は薬物療法が基本となっています。
現在の薬は副作用が少なく、基本的に医者の指示に従う事は大切だと思っています。

しかし、服薬だけに依存しすぎると、副作用云々よりも、能動的に投薬と同じ効果を得られるセルフ・コントロールへの努力を怠る事につながってしまうのではないかと私は考えています。

うつは心の風邪とも云いますが、風邪なら、子供でも、風邪予防の知識や、風邪になった時の対処法などは基本として知っているものです。
なのに心の風邪になりやすい、すなわち心に変調を起こしやすいスポーツという環境の中にいるにも関わらず、多くの選手たちは全く予防知識を持っていないのです。

私の考えですが、スポーツをしていて単純に精神力が鍛えられるという事は無いと考えています。
スポーツを経験する上でのメリットは、自己のメンタルと振り向き合う事で、自分の恐怖や不安といった感情をコントロールできる機会と術を得られる事ではないでしょうか?

つまり過度のストレスの中で生き抜く心のコントロール法こそスポーツで得られ、そして後の実生活で行かせるメリットなのです。

なのに、心の不調時に、いたずらに薬物あるいは宗教にばかり依存する事は(それらを否定しているのではなく)非常に勿体無い事だと私は思います。


その為にも、自分の心を守る為にも、スポーツ心理学の基礎知識は、今のスポーツ選手にとっては必須であると思います。



はっきりいって格闘技雑誌にしろ、流行の技術特集や身体作りの記事は書いても、格闘家に本当に必要なメンタルコントロール、セルフコントロールといった「基礎知識」には全く触れる事はありません。

そういう意味でOMASUKIFIGHT様の記事は、格闘家が陥りやすい、うつ状態について初めて記された貴重な記事だと思っています。

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posted by shingol at 00:14| 新・レッスルする世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする