昨日のDREAMで私が驚嘆したのは川尻選手の奮闘ぶりです。
膝蹴りを食らおうが、かまわず相手の片足に飛びついて離さなかった川尻選手の気持ちの強さは、私のようなアマチュアには絶対に真似の出来ない事でしょう。
私は頸椎を長く痛めていますが、元々の原因は、片足タックルを狙いにいった際、必要以上に堅く身構える相手の膝が私の頭部を直撃したのが原因でした。
意図的ではない攻撃でも、一生、頸椎を傷つけられるほど、やはり膝という鋭角の攻撃は恐ろしいものです。
勝手な予想ですが、それを食らいながら、相手の片足に飛びついていった川尻選手は、青木選手のしびれと同様の事が起こっていたとしてもおかしくはありません。
私は敬意を表したいと思います。
と、同時に、私のような半端なアマチュアレスリング経験者であり、総合格闘技をママゴトのようにかじった人間とは比較に成らない、数倍も闘う技術と、闘う気持ちを持つ川尻選手に対して、僭越な意見ですが、私は残念な事がありました。
川尻選手の片足の取ってからの倒し方です。
膝蹴りを食らいながらも、しがみついた片足から、何故テイクダウンに苦しんだのか?
何故、あそこで、あれほど試合全体に影響するくらい、スタミナをロスさせる原因を作ってしまったのか、私は川尻選手に敬意を表しいるからこそ一意見を記したいと思っています。
まず、人間の両腕の力だけでは、相手の片足の圧力に及ぶ事はありません。
相手の片足を、自分の両手で持つ事はかなりの体力的消耗を感じる作業です。
その上に自分の頭は常に相手の上体より下の位地にあるので、片足タックルというものは相手の上からの圧力をかなり受けやすく肉体的負担の多い技なのです。
それを補うには、相手の片足を自分の両足をハサミ状にして挟む。
つまり逃げられないように自分の腕だけでなく、自分の足の力を借りて、相手の片足を掴みます。
あるいは相手の膝より下に自分の持つ手を置き換える。当然テコの原理です。
あるいは相手の軸足にフェイント気味に自分の足をかける。つまり相手の軸足に意識を集中させて、捕まえている側の片足への圧力を軽減させるのです。
あるいは頭が外側であったので、自分の外側の足を一歩後ろに退いた後、再び前進し両足に切り替えるワンツーがあります。それは必ず倒した後サイドが取れます。
そういった方法がまずは考えられます。
しかし川尻選手はせっかく掴んだ片足を、それらのいずれの手法にも頼らず転倒させていた事は、どれだけの体力的消耗を齎してしまうかを、私は勝手ながらテレビの前で心配してしまいました。
結果的に、その時の体力的消耗によって、自身のパフォーマンスレベルを最大限に発揮出来なかった事は、第三者として観ても、非常に残念な事であります。
逆に私たちのような単純にアマチュアレスリングの技術だけに頼っていても、あのマンバに対して臆する事無く何度も片足をつかまえた川尻選手のような精神・体力は真似出来るものでは絶対にありません。
また川尻選手が理にかなっていない倒し方で転倒させた事も、充分気持ちと体力の強さを感じさせてもらいました。
だからこそ、もったいないと思ったのです。
放送席で、何故、川尻選手がテイクダウンに苦しんでいるのかを、端的ながらもコメントしたのは山本KIDだけでした。
逆に、グランドの攻防では、須藤、高阪の専門的な解説に対して、KIDは一般ファンと変わらないコメントだけしか出していませんでした。
つまり私が言いたいのは、成熟した競技である総合格闘技であれ、全ての選手に知らない技術があるという事です。
高阪であり、KIDであれ。
しかし、それでも彼らは自分の知っている技術だけを信じて勝利を掴んできたのです。
逆説的な書き方をすれば、川尻選手はレスリングの細かい技術を知らないが為に、自らの体力を消耗させ、苦戦しました、
しかし、それでもレスリングの技術に頼る事無く、勝利を掴んだのです。
それはレスラーが知らない技術と、真似の出来ない精神力を持っていたからでしょう。
私が総合に出るプロレスラーたちに訴えたい事はこれです。
総合の技術を知らない。
総合の闘い方を知らない。
そういう格闘技オタクたちの上っ面だけの批評に惑わされているのが、今のプロレスラーたちでしょう。
総合の闘い方、基本技術とは何なのでしょうか?
私は船木が例えば、元々の身体能力を迷い無く攻撃性に転化させる事が出来たなら、かつての船木の技術だけでも充分今の総合格闘技で闘えると信じています。
船木に関しては度々記してきたようにメンタル面での問題だけだと思います。
ミノワマンなら、タックルを切られても絶対に伸びきらない鈴木みのるの教えの意識を持って、数々の他流試合を制してきました。
例えば桜庭の闘い方が時代遅れだという人もいますが、私は単に宝刀ローシングルの精度が落ちただけだと思っています。
今の格闘技界、格闘技ファンの技術のベーシックは、柔術的動きです。
つまり柔術的動きが出来るか出来ないかが、総合格闘技が出来るかどうかの基準に成ってしまっているような気がして成りません。
そういうファンにとっては例えばブロック・レスナーは力だけの素人にしかうつらない事も事実です。
プロレスラーたちは自分の闘い方を信じる事です。
いたずらな格闘技オタクたちの意見に左右されない事です。
柔術をかじったファンに、ヘタクソなグラウンドだといわれる程度の技術で良いではないかと私は思います。
格闘技オタクたちが知らない自分たちの技術を信じて闘えば良いのです。
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