2008年03月18日

桜庭和志という昭和・プロレス者/悪魔童子と桜庭和志

桜庭和志が実は入場の際に、多くの昭和プロレスファンに対して隠れたメッセージを送っている事に気づいているファンは意外と少ない。

私が驚いたのは、マスクド・スーパースターの扮装をして出てきた時の事だ。
流星仮面の格好そのままでの入場であったが、日本での衣装ではなく、昭和プロレスファン、特に雑誌「ゴング」を読んでいた少年ファンには懐かしい、古き良きアメリカンスポーツブランドを着こなすジョージア地区での流星仮面そのままの格好であった事に、私は更に驚いた。

昨年の大晦日は、何と、悪魔童子といわれたビジャノ3号の格好を画策した桜庭であったが、あまりに昭和プロレスの共感者が少ない事に、マニアな引け目を感じたのか、実現する事は無かった。

かつてマシン軍団の覆面を被って入場し、グレイシーを倒した桜庭は、プロレスラーの代表でもあったと同時に、プロレスファンの代表でもあった。

私が桜庭で好きな事は、プロレスファン故にレスリングを始めたが、レスリングに熱中しすぎて、プロレスを見なかった時期があるという事だ。

プロレスファンとしてのオタク臭を漂わせていないのだ。

プロレスファンでありながら、プロレスだけに青春を捧げなかった。
だからこその昭和のプロレス者なのである。

私は前の桜庭の記事で、桜庭には、もうリスクや負担の大きい試合はしてもらいたくないと記した。
その想いと相反する、私のもう一つの想いも存在している。

伝家の宝刀ロー・シングルを復活させ、好きな時に、好きなように、相手を転倒させ、上から見下ろし、プロレス者の遊び心を発揮させる桜庭の姿である。

その時、下になっている相手は、弱い相手ではなく、レスラー以外の、秋山などの実力派の日本人格闘家がふさわしい。

桜庭の世代に、アマチュアレスリング界に後に伝説的選手と言われるジョン・スミスが出現した。
四足動物の肉食獣の構えそのままで、相手の足に低くアタックする、ローシングルの達人であった。
以後、レスリング界でローシングルは流行と成った。

しかし桜庭のローシングルはアップライトから一気に重心を落とせる桜庭のオリジナルである。
リーチの長さを生かした桜庭の武器は、意外と、総合格闘技の試合に向いていた。

レスラーのタックルと言えば、正面からだけであろうと油断しつつあった格闘家たちに、桜庭のローシングルは見た事の無い変化球と也、三振の山を築いて来た。
その変化球対策に、世界中の格闘家たちは二年以上の月日を費やして来たのだ。

桜庭の精神的な負担の大きい試合を見るのは辛いのも本音だが、私は再び、ローシングルで倒した相手を上から見下ろし、自由奔放に飛び跳ねる桜庭の姿を、もう一度見てみたい気持ちも本音だ。

その時の入場時には、少しでも桜庭自身が、闘いの心理的負担を軽減出来る楽しい衣装で入場してほしい。

その時こそ、ビジャノ3号に扮した桜庭の姿を見たいものだ。


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posted by shingol at 19:58| 新・レッスルする世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする