2008年03月29日

田村潔司に見るUWFスタイル・相手を選ばず、細分化された技術を発揮せよ!

田村潔司がしだいにファンに愛想を尽かされつつある。
実績も何も無い男が、よくぞ、ここまで自分の優位性を保てると思うものだが、それでも、やはり総合の市場において、田村は試合に対しての選択権を持つほどの商品価値を未だ持っている事は確かだ。

田村が本当にしたいのはプロレスの闘いである。
自らがデビュー時より培ってきたUWFでのプロレスにこだわりを持つ男である。
かつて田村が違う事に例えた言葉であるが、「本当はこだわりの寿司で通したいが、営業する為に、昼定食も出さなければ行けない」という言葉があった。
田村が本当にやりたいのは、あくまでUWFスタイルのプロレスであり、総合は自らの世界を維持する為に、糧を得る出稼ぎの場でしかないのではないかと私は思う。

田村が実は日本人としては、限りなく、最初の段階で総合格闘技に出陣した事を、最近のファンは知っているだろうか?
まだオープン・フィンガー・グローブすら無かった時代に、K-1のリングで、パトリックスミスを沈めた。
私は、追い込まれた田村の悲壮感溢れる表情が忘れられない。
数年後、総合では無いが、リアルにヘンゾ・グレイシーを封じ込めた。
あの頃の田村は、自分のしたい世界としなければいけない世界が一致していたのだと私は思っている。

田村は一つ一つの技術においては、分類化された技術をそこそこ身に付けている選手でもある。
総合格闘技の歴史以前に、打・倒・極のそれぞれの専門的技術を、能動的にマスターしてきた男である。

日体大に出稽古に出かけた格闘家、レスラーは田村が最初ではないかと私は思う。
私はおそらく成人にも満たない1年生の学生に、プロの田村が自由自在に肉体をコントロールされた事は容易に想像出来る。

そうやって等身大の自分を見つめながら、ファンの前では、UWF神話を守ろうとしてきた男なのである。

そんな田村にとって今の総合への取り組みは、過去とは全く異なる考えを持って挑んでいるように思えて成らない。
何の為に、総合に出るのか?
ヘンゾ戦、パトスミ戦の時とは異質の気持ちの正体が何であるのか、私はファンではないので、分からない。

しかし恐ろしい事は、田村はプロレスにおいては、総合以上に、頑固なこだわりを貫く事である。

頑に、UWFスタイルにこだわり、UWF的様式美が作れない相手とは絶対に試合をしない。

総合では前田が、プロレスでは猪木が、田村のこだわりの世界を打ち砕こうと画策してきた。
しかし結果的に、前田も猪木も呆れた田村のこだわりが何であるかは私は分からない。

しかし、こだわりとこだわりの無い世界のバランスが田村の中で崩れ去っていくのは確かな気がする。

前田や猪木がプロレスに求めるものは、予定調和ではない、リアルな主導権争いである。
しかし田村はプロレスにおいては予定調和のUWFスタイルを求めずにはいられないようだ。

考えてみれば分かる話であるが、リアルファイトではなかったUインター時代からして、新日本とのプロレスを拒絶した男なのである。
同じプロレスであっても、例えて言うなら、ルチャの攻防が出来る相手としかプロレスはしないルチャドールと理屈は全く同じなのだ。
そういう、こだわりを持つ男なのである。

その田村のプロレスへの昔からの取り組み方を知っているファンならば、総合の場で田村がどれだけ気難しさぶりを発揮しても少しは理解出来るのかも知れないが、格闘技ファンには理解等無理な話であろう。

そういう田村を前田が毛嫌いする理由も分かる気はする。

予定調和とは程遠い、いつ怒りだすか分からない巨大な外国人レスラーたちと、歪な主導権争いを展開してきた前田にとっては、そういう闘いこそを経験せずして、様式美溢れる演武的な田村のUWF的スタイルへのこだわりは許せないものがあるのだろう。

ならば田村は、総合で、リアルにUWFの様式美を示せば良いのだ。

自身が細分化して磨いてきた総合格闘技の技術を一つ一つつなげる技術を確認すれば良い事だ。

例えば田村のタックルは、アマチュアレスラーに匹敵する田村独自の完成されたフォームによるものだ。
しかし倒してからの相手のコントロール法を知らない為に、金に涼しい顔をされた。
金のガードの仕方はレスラーに取っては「カモ」であった。
それをみすみす逃した田村は、何の為に日体大に出稽古に言っていたのかと私は思う。

田村は今の総合の技術体系を覚える必要などない。

自身が能動的に努力して培ってきた細分化された各・格闘技の技術をもう一度復習していけば田村は、今の格闘家たちに混じっても、かなりのハイ・レベルの技術を持つ男であると私は信じている。

プロレスでUWFスタイルを展開出来る相手にこだわるのは理解も出来る。
しかしリアルファイトの場にまでUWFスタイルを出来る相手に拘っていては、前田が怒るのも当然である。

相手がUWFを知らなくとも、自身の技術を能動的に発揮すれば良い。
それだけの技術を再確認すれば良い事である。


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posted by shingol at 12:18| 新・レッスルする世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする