私が学生の頃、6歳年上の悪友のNが帝塚山のレンタルレコード店でアルバイトをしていました。
「おごったるから帝塚山にこいや」と言われ、帝塚山のNのバイト先まで行きました。
アルバイトを終えたNが連れて行ってくれた場所はお好み焼きやの「あかと」でした。
前にも記したように尼崎と異なる大阪の混ぜ焼きのお好み焼きには馴染めない私でしたが、この「あかと」の柔らかく溶け出しそうな食感にはまってしまいました。
我が・故郷のお好み焼きとは別の意味で最高に美味しいと思ったのです。
「何でこんなに美味しい店知ってはるんですか?」と尋ねた所、Nいわく、「女の子が喜びそうな店は全部知ってる」という事でした。
確かに、「あかと」のお好み焼きは、どちらかといえば女の子が喜ぶソフトな食感のお好み焼きです。
とにかく柔らかさに驚きますよ。
「天王寺からチンチン電車に乗ってな、帝塚山に来て、この店の後、美味しいケーキ屋連れてったれや。その後、万代池でプロポーズしてみ、一発やで」と自信満々に語っていたNの言葉は、それらを遂行した他の友人たちの限りなく100パーセントの成功率を聞く限り、間違いないようです。
十数年後、マネーの虎のオファーを受けるまでに出世したNでしたが、今でも帝塚山にはよく行くそうです。
しかし、その時は、女等連れず、黙って一人で、ジャズ喫茶に入り浸るようです。
女をドライブに誘う時は、好みでない「ユーミン」をBGMにしなければいけません。
本当はお好み焼き屋やケーキ屋などにも行きたくも無かったのでしょう。
Nの軟派ぶりに敬服しました。
学生時代、Nのぞんざいな態度に切れた私がNに殴り掛かる最中、ファイティングポーズを取り「来んかい!」と叫び続けながら、恐るべき早足で逃げ続けたNの姿は忘れられません。
そんなNが学費まで出して東京の大学に通わせた可愛い女の子を某有名格闘家に寝取られた時の、Nのやけ酒と付き合いながら、窓の向こうに「フィアットパンダ」が走っていました。
Nの女々しい愚痴に疲れて来た私は車好きのNに「フィアットパンダ」について30分しゃべらせ続けました。
難波から新世界まで
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2008年05月04日
帝塚山の「あかと」とNの想い出
posted by shingol at 13:11| 私の好きな有機的な世界